環境はすべてを左右する:CXとMXをつなげる
エンドユーザー環境はマシンの「つながり」によって作られる
ユーザー環境は、企業に対するお客様の認識を形作り、最終的にはお客様が製品やサービスを繰り返し利用したり周囲に勧めたりするかどうかを左右します。多くの場合、CX(Customer Experience、お客様向け環境)で重視されるのは電話応答の待ち時間、支払いの手続き、メールのやり取りなどです。各社はこの課題に対処するためAI、VR、ブロックチェーン、IoTなど新しい技術を導入しようとしています。
CXは主要な差別化要因です。価格やサービスを改善し続けることは常に重要ですが、お客様は自身が感じた印象にも影響されます。Coltにとってのお客様を優先したビジネスとは、お客様について1つの分野に注力するのではなく、ビジネス全体に注力するということです。
Colt、副ヴァイスプレジデント、営業/マーケティング/ カスタマーリレーションシップ マネジメント、Paula Cogan
しかし今日では、これらのイニシアチブの多くはそれだけではお客様に恩恵をもたらしません。お客様が恩恵を受けられるようにするにはもう1つの要因、すなわちマシン環境が必要です。
マシン環境とは何か、どのようにCXに影響するのか
MX(Machine Experience、マシン環境)は、お客様向け環境の質と直結し、片方だけでは成立しません。Ciena社の筆頭コンサルタントであるArvind Patel氏は「本質的には、MXは接続されたデバイスやマシン間の環境や、それらのデバイスおよびマシンと通信を行う方法を改良することを目的としています。CXを改善するために導入した新技術を正しく適用しなければ、お客様向け環境は脆弱なものになってしまいます」と述べています。
ネットワークの果たす役割
Paulaは「デジタル・サービスとテクノロジーは成長し続けています が、それらを結合するネットワークが不十分な場合、有用性は制限されてしまいます。デジタル・エコシステム全体のネットワークを考慮することが重要です」と述べています。
CXとMXとの間のリンクでネットワークが大きな役割を果たすのは、次のようないくつかの要素の組み合わせとなります。
1. ネットワーク
ネットワークはレイテンシの短さ、信頼性、セキュリティ、そしてビジネスとお客様との間での主要な拠点すべてとの接続など、サービスの総合的な品質を決定します。
2. API
API(Application Programming Interface)は、2つ以上のシステム間でシームレスな通信を可能にするためのブリッジとして機能します。これはインテリジェントなネットワークで、外部から見えないところで動作し、プロセスを自動化して、迅速かつ円滑に動作する環境をお客様に提供します。
3. AI
問題が発生する前に検出し、データを分析して、お客様が問題に気付く前に対策するようなスマート・ネットワークを可能にします。これにより、お客様に提供するサービスやデジタル環境の障害が減少します。また、AIを使用するチャットボットや仮想アシスタントにより、お客様からの質問に年中無休で回答いたします。
4. エッジ
最大限に迅速な操作性を実現するため、IoT、5G、M2Mアプリケーションでエッジ・コンピューティングを活用します。次世代のアプリケーションには、主要なエッジ・コンピュータ同士をを接続するネットワークが必要となります。
お客様向け環境を改良するには、マシン環境への投資が鍵となります。Paulaは、「マシンはすべてのプロセスに置き換わる、または自動化するわけではありませんが、正しく使用すれば長期的にコスト削減や効率性向上に役立ち、お客様にすばらしい環境を提供できます」と付け加えています。 こうしたインテリジェント・テクノロジーを使用することでプロセスを自動化し、ビジネスの最も重要な部分だけに集中することができます。
機械学習によるネットワーク環境の改良
優れたマシン環境を実現するには、安全かつ信頼性が高く、広帯域で低遅延なネットワークが必要です。これらは大企業のお客様や通信事業を運営するお客様が必要とする要件と非常に似ています。
クラウドベースのサービスが今日のビジネスITにおいて占める割合が増えるにつれ、信頼性が高く予測可能な環境はますます重要性を増しています。ネットワークの性能が十分でなければ、アプリケーションとエンドユーザーが悪影響を受けます。これらの運用に必要不可欠な要素のつながりに起因するサービス中断のリスクを低減するため、ビジネスではルートの多様性の拡充や復元性オプションなど、いくつかの方法を使用できます。Coltは、非常に高いレベルの可用性を持つネットワークを設計して提供することにより、お客様を支援していますが、運用のリスクを低減するため他の支援も行うことができます。
ネットワーク管理については、ネットワークの各コンポーネントのパフォーマンスについての豊富な知識と見識がお客様に役立ちます。ネットワークの各要素がどのように動作しているか、変化を個別に監視することにより、潜在的問題の兆候をリアルタイムで把握できます。しかしColtはさらに一歩進めて、問題がいつ発生するかを、実際に起きるより前に予測できます。
インターフェースの光学受信能力のわずかな変化であれ、カードの動作温度の小さな変動であれ、ネットワーク全体にわたる数百万ものデータポイントを収集して分析し、得られた情報を組み合わせてネットワーク全体の健全性を把握 できます。入力の数の多さから、当社は監視された機械学習アルゴリズムを使用して、機器の障害がどこで発生する可能性が高いかを正確に予測し、その状況が障害となってサービスに影響することを回避するため事前に対策します。
Colt IQネットワークへの投資、特にCiena社との最近 のアップグレードにより、フレキシブルな最先端のプラットフォームを実現しました。このプラットフォームにより、エンドユーザー向けやアプリケーション向けにかかわらず、市場をリードする環境を提供できます。機械学習によりこの環境をさらに進歩させ、問題を事前に察知するツールを提供可能にして、最終的により優れた信頼性の高いサービスをお客様に提供できるようになりました。
お客様向け環境を整備するうえで機械学習の果たす役割はますます増大しています。確固としたネットワークの基盤を前提とし、インテリジェントに展開された機械学習を追加することで、マシン環境とお客様向け環境の両方を次の段階に引き上げることができます。
今日のMXを実現するためのツールとテクノロジー
マシン環境により、お客様のIT環境を自動化するため、Coltは新しいテクノロジーを開発しています。
サービス配信
サービス・プロバイダはこれまで、各種の独自ツールを使用して配信を管理していました。これらのツールは、極めて断片化されたマルチベンダーのネットワーク・インフラストラクチャの上で、エンド・ツー・エンドのサービス調整に使用されてきました。この構造は非常に複雑なため、優れたマシン環境を作り上げることは困難でした。
ネットワークの重要性がますます拡大する昨今、ネットワーク・インフラストラクチャとIT環境の連携が不可欠です。
Colt IQネットワークは標準のインフラストラクチャ・レイヤーを使用でき、SDN(Software Defined Network、ソフトウェア定義ネットワーク)制御機能が基礎として組み込まれているため、シームレスなマシン環境を簡単に作成できます。
オープンなAPI(Application Programming Interfaces)を使用して基礎となるネットワークおよびITレイヤーと通信を行うため、共通の言語でM2M(Machine to Machine、機械相互)の連係動作を簡単に行えます。
お客様はAPI経由でオンデマンドのリアルタイム環境でサービスを見つけ、見積もりを受け取り、注文を行い、サービスをアクティブ化できます。お客様は自社のIT環境とColtのネットワークおよびITシステムとの間でシームレスなM2M通信を実現し、サービス配信プロセス全体をカバーできます。これにより作業が迅速に行え、エラーが減少し、結果としてColtとの連携が簡単になります。
昨年、ColtはMEFの標準化されたLSO Sonata APIのセットに関する取り組みを公表しました。これらのAPIにより、サービス・プロバイダとエンタープライズは共通の言語を採用し、エンドツーエンドのマシン環境でネットワーク・サービスを配信可能になりました。
運用中のサービスの管理
ネットワーク・サービスは運用中も、お客様の要件の変化に適応する必要があります。アプリケーションによっては、パブリック・クラウドに接続するため帯域幅を増やす、暗号化によってセキュリティを強化するなど、ネットワークの変更が必要になる可能性があります。サービスの障害に対処するには事前と事後のチケット作成が必要で、通知、パフォーマンスの管理、請求には使用量とサービスのパフォーマンスの情報を収集して交換する必要があります。
APIを使用すると、サービスのパラメーターを動的に変更し、基礎となるネットワークおよびITシステムからリアルタイム情報とイベントを収集して交換できます。
AIは、大量のデータのパターンを人間には不可能なレベルで認識できるため、予防的な解決作業を行い、ネットワークを健全な状態で実行し続けることができます。この方法が機能するには、データの収集と分析においてシームレスなマシン環境が維持される必要があり、最終的にはこれによってお客様をより適切にサポートできると同時に、お客様についての見識を深めることができます。
ビジネス管理
適切な環境を提供することは、失敗の許されないこの分野でColtとの連携を容易にすると同時に信頼を構築することを基本的な目的としています。ブロックチェーン・テクノロジーにより信頼とセキュリティが強化され、複数の当事者が正確で完全に同期されたビジネス取引の記録を保持できます。
使用開始手順の間に、当社はID検証、クレジットとコンプライアンスのチェックなど、顧客確認手順を自動化し、新しいお客様が当社とリアルタイムで業務を連携可能にします。ブロックチェーンは正確なサービス使用量のデータを保持できるため、支払いは自動的に決済され、お客様とプロバイダは、特に複数の当事者が関与する場合に時間を節約できます。
当社は、お客様とマシンレイヤーの両方について環境を改善する方法を常に模索しています。当社と協力してビジネスを行うことが容易になり、手作業や大量のデータの分析が不要になれば、お客様やマシンが行う作業のあらゆる段階で環境を改良できます。
マシン活用によるお客様向け環境の改良
Coltは、すべての接触ポイントにおける対話を通じて、お客様向け環境を評価します。当社はすべての操作 が簡単で、時間を節約でき、一貫し、個別化されることを目標としています。これは当社の継続的な目標で、当社が考えるCXを変革させ、Net Easyなどのプログラムを使用してトランザクション・ベースでCXを測定する方法にも影響しています。
お客様の作業の全体を考えると、常に人間を相手にするわけではありません。当社のAPI、ポータル、チャットボット相手の操作も存在します。これらの原則はインターフェースにかかわらず同じで、マシン環境は人間相手の対話と同等のものです。マシン環境は、速度や一貫性など一部の要素を実現するためにはより適切ですが、個人としての人間の環境に置き換わるものではないため、両方のバランスを考える必要があります。
将来的にはMLやMXプロセスの一部、特にネットワーク障害の通知やクレジット障害の警告など運用中の作業は自動化されていきます。これによってチームは付加価値の高いタスクを行うため、または全体像を把握するために、より多くの時間を使えるようになります。販売やサービスの配信などでより複雑な取引を行う場合、自動化によって人間の作業を補助できますが、置き換えることはできません。このテクノロジーをさらにビジネスで活用することにより、すべての分野にわたって自動化が推進されることが期待できます。
将来のCXでは、ロボットによるプロセス自動化が改良され、一部のプロセスは人手による対話に置き換わるようになるでしょう。マシン環境を正しい方法で活用することにより、企業はより問題の少ない連携を行えるようになります。また、マシンの要素がColtのお客様になることもあります。特に、大規模なホールセールのお客様がサービスを一括で発注する場合、マシンを利用して発注プロセスを自動的に完了できます。その代わりに、購買プロセスをエンド・ツー・エンドで自動化でき、そのお客様のマシンはColtのマシンとトランザクション・ベースで連携するようになります。Coltは企業として、お客様向け環境の戦略について、より継 続的な改良および開発プロセスに移行しつつあります。当 社は業界リーダーですが、その地位に安住してはいません。 Coltは、優れたお客様向け環境を提供する新しい方法を常に考え、構想し続けています。当社の提供するマシン環境はその方法のひとつですが、それだけで優れたお客様向け環境を実現することはできません。お客様との対話について、人間の要素を過小評価すべきではありません。Maya Angelou氏の言葉のように、「人々は相手の言ったことは忘れるし、何をしたかも忘れるが、相手のことをどのように感じたかは決して忘れない」のです。
まとめ
お客様に優れた環境を提供することは従来でも困難な作業でしたが、エコシステムの相互接続がさらに進むにつれ、マシン間のつながりはお客様向けのツールやサービスと同等に重要なものとなりつつあります。
これらすべてを支えるのはネットワークで、ネットワークを強化する手順によりマシン環境を改良し、お客様により多くのサービスを提供可能になります。Coltは、この目標に向けた3つの開始点を設定しました。
ネットワークがお客様とマシンに優れた環境を提供できるかどうかに疑問をお持ちでしょうか?Coltはお客様ビジネスにおける目標達成に必要なネットワーク環境構築をサポートいたします。
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